更生は赤詰め草で

オマケ


綾杉三人もまた帰り道を歩いていた。

並んで歩く姉妹の後を少しはなれてヒスイが不機嫌に続いている。
その時、唐突に碧が振り返って尋ねた。

「ねえスイ君。どうして足止めに使ったのが私の息がかかったのってわかったの?」

「その呼び方やめろよ。」

「ねえ、教えてよ!うまくいったのは嬉しいけど唯一そこが納得いかないのよ」

ヒスイは大きくため息をついた。
姉のこの人を使って遊ぶ癖はどうにかならないものか。

「どう見ても高校生じゃなかったからだよ。普通に二十歳は超えてるってわかったぜ」

碧は頬に手を当てて悩ましげにため息をついた。

「童顔を選んだつもりだったのにダメだったかぁ」

その様子をヒスイはケッといいながら目線をそらす。

「んなもんどうでもいいくせに。うまくあの二人がくっついたんだからいいだろ?」

「何か不服そうだね、ヒスイ」

葵がにやにやしながら言うとヒスイはさらに目線を外した。
葵は碧に耳打ちする。

「もしかしたらヒスイ、意外と傷ついてるかもよ?」

「じゃあ、ユウジ君ルートにしないほうがよかった?」

「さぁ?」

「おい。聞こえてんぞお前らッ!勝手なこと言ってんじゃねぇ!!」


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