更生は赤詰め草で

決戦


それでも、少しだけすっきりした。
これはよかったのかも知れない。

早苗は少し明るくそんなことを考えて彼女たちの行った方とは違い、その不良たちが待ち受けている入り口に足を向けた。

もうこの闇は怖くない。

早苗は、もう一度あのドアを開いた。

「おー、思ったよりも早かったな。感心感心」

「で?」

早苗が言うと岡田はん?というように眉をひそめた。

「こんな茶番用意して何がしたいのよ?」

「ちゃんと収穫はあったぜ?ほら」

そういって岡田が見せたのはビデオカメラ。
そこに写るのは工場の中へ入る早苗の顔だった。

「は?!」

「お前の怖がってる顔。なかなか面白かったぜ?あの人情ドラマみたいな仲直りも」

「ちょ、返せ!」

岡田は早苗の手をヒラリとかわした。

「ダメダメ、せっかく面白いもん撮れたんだからさ」

「面白くないッ!」

早苗はなおもビデオをとろうと手を伸ばした。



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