神 様 の 言 う と お り
「綾人!髪を金色にしたと思ったら、今度はピアス?!あなたまだ小学生でしょ?もうお姉ちゃんを見るのはやめて!あの子はいけないお手本よ!」
リビングで母さんにヒステリックに怒鳴りつけられた。俺が言い返したって、この人が聞く耳を持たないことは分かっているから黙って二階へあがる。
扉を開け放していると下から金切り声が響いてくるから鍵をしめてベットに体を沈めて目をつむった。
すると外からバイクの轟音が部屋にまで届いてきて、それは家の前でとまった。窓をあけてみると玄関前で由紀が大きな黒いバイクの後ろから降りているところだった。
そして、由紀はバイクに跨がる学ランを着崩して俺と同じ髪色の男とキスをして手を降る。バイクは走り去り、由紀は玄関の門を開けた。
そして、家の扉が開く音がした。
由紀は子供だったあの日の夜から走り去っていく。キスは大人がするものだ。
俺はまだキスを知らない。