あなたの大切なもの
「ええで別に。 まだ明るいし大丈夫やで? 刹那家どこよ?」

「ん? あっちー」

反対方向やん!

「ええって! 反対やし! 1人で帰れるって!」

「無理ー! ゆったやーん守るって。 送るってゆうとるねんから送らせろ!!」

「はいはい、じゃーお願いします!」

「後ろ乗れよ。 2ケツする」

「まじで? わかったぁ」

そうやって、あたしは刹那と2ケツして送ってもらった。
途中綾女に会うことはなくって、ホッとした。
でもすれ違った人に、見覚えがある顔があった。

あれは多分…

  良紀…
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