あなたの大切なもの

信じない現実

それから病院に着き、何時間にも及ぶ手術が行われた。

あたしが今いる所は、何もない殺風景な中、1人ベッドに横たわる刹那がいる部屋。
シーツ1枚だけで覆われている。




「残念ですが…彼は亡くなりました」




医者がうつむいて言う。


何を…ゆってんの?
亡くなった? 
誰が?


ああ、医者が間違うとんねんや。
違う人のことやろ?
ここじゃなくて、その人の所に行かなあかんやん。
だって、刹那はここに居るやん。
今はただ……寝てるだけやもん。



刹那…そうやろ?
あんたは寝てるだけやんな?

あたしはゆっくり、刹那に近づいた。
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