逢いたくて



「龍馬ぁ!!」


丘に登ると見覚えのある着物ともさもさの髪。


「おーう!紅葉か!?」


そう言って手を振った龍馬。

アタシは思いっきり手を振り返した。



「なんじゃぁ?急に。」

「また、薪割りサボったでしょう?」

「ありゃ。ばれたかの。」

「乙女さん怒ってたよ。」

「ははは!!いつもの事じゃぁ!気にするな!!」



龍馬は豪快に笑った。

あの小さかった龍馬はいつの間にか大人の男になっていた。

まだまだ年は大人とは言わないがその顔立ちも体格も大人顔負けだ。



「そうじゃ。おまん、その年になってもまだ髪を結わんのか?」


龍馬はアタシの後ろで束ねた髪を指差す。


「だって・・・アタシに似合わないじゃない。」

「そうかの?」

「そうよ。」

「なんちゃぁ気にするな!!おまんの好きな格好をせーばいいじゃろ!」


と、ぐしゃぐしゃとアタシの頭をなで回した龍馬。


「ちょっと!龍馬みたいな髪にしないでよ!!」

「わしはもっとえぇ髪しちょる!!」

「何よ!もさもさの髪して!少しくらいは気を遣ったらどうなの?」

「あはは!男はこれくらいでええが!」



龍馬は眩しいくらいの笑顔をアタシに向けた。






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