俺様!? 王様?? 彼氏様!!
郁斗 side
どうやら高田朱梨には、彼氏はいなかったらしい。
それなのに下を向いていたっていうことは俺が嫌われているのか。
考えてもわかんねぇ。
だけど、せっかくのチャンスだ。
まじで付き合いたい。
「郁斗、彼女を家まで送るのは彼氏の義務だからな!」
俺が考えていると愁に言われた。
愁は、自然な流れで、高田朱梨のことを「朱梨ちゃん」と呼んだ。
そして、愁と赤井萌が帰っていった。
「じゃあ、帰ろうか。送っていくよ」
「え? ありがとう」
これだけの会話でも俺は、嬉しかった。
「えっと、朱梨って呼んでいい?」
俺は、高田朱梨のペースに合わせて歩きながら聞いた。
「うん。えっと、何て呼べばいい?」
「郁斗でいいよ」
「うん。ありがとう。
あの……、あたしたちってどんな関係?」
朱梨の質問に俺は、はっきりと
「彼氏彼女。って堂々と言えるようになりたい。
俺、本気で朱梨のこと好き。
俺と本気で付き合ってください」
こう言った。