トリックス☆スターズ
細長いとはいえ、巨大な大木の中から出てきた物体のあまりのスケールに、ラピスはどうするべきか迷っている。

「知るかーッ!!!」

それにルビーが逆ギレした様に大声で返した。

《誰が私の高貴な純血をそんなに欲しているのだ!》

なんと細長い物体から声が聞こえた。

「んなッ!?モヤシが喋ったぞッ!?」

「うげッ!コイツ何か言ったぞ!!」

『喋りました!』

細長い物体は少し宙に浮くと全身が光輝き、その頭上には巨大な光の輪が現れた。
そして、細長い体からはしなやかな尻尾の様なものが何本も生え、その先端が怪しく光っている。

「さっきまでウドの大木だったくせに、やけに神々しいなッ!
 登場の台詞は受けだったけどッ!」

そのうちに尻尾の先端がチロチロと光り、ラピスに向かって一筋の光を放った。
ラピスの周辺に光の筋が現れ、次第に空間が歪み爆発が起こった。

「うわッ!勇者さまが爆発したぞッ!?」

激しい爆風により、辺りにあった人の形をした物体がドミノ倒しの様に転げた。

『しょうがないですね、とにかく焼いてみましょうか』

その時、爆発の中心の煙が晴れ何か動くものが見えた。

「ふぅ、脅かしやがって」

なんとラピスはそのままの状態で立っていた。

「おーッ!勇者さまには効いてないぞッ!」
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