Dangerous city
やがてべレッタの弾倉にも弾丸はなくなった。

「くっそぉおぁぁ!」

俺は拳銃そのものを近づいてきた錯乱者の顔面に力一杯投げつけて怯ませる!

諦めるかよ!

諦めてたまるかよ!

「いやっ!いやぁあぁ!」

ハルカに掴みかかろうと手を伸ばす錯乱者の腕を掴み、アームブリーカーで肘の関節をへし折ってやる。

尚も近づく集団にも、拳を、蹴りを、膝を、肘を叩きつける!

銃がなくとも素手で、格闘術で抵抗を続ける。

ハルカに触れようとする錯乱者達に、渾身の力を込めて拳を振るい続けた。

「っ!!」

その背後から、包丁で切りつけられて鋭い痛みが走る。

ハンマーだろうか、鈍器が振り下ろされて鈍い痛みを感じた。

それでもまだ。

「ハルカに手ぇ出すなぁぁぁっ!」

俺は狂ったように錯乱者の群れの中心で暴れ続ける!

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