Dangerous city
「ハルカ」

俺は彼女を強く抱きしめる。

いつも気丈な彼女の細い肩が震えていた。

何が気丈なものか。

ハルカは女だ。

非力で、か弱くて、何の力も持たない繊細な自分を、明るさと気の強さで包み込んで必死に隠しているだけなのだ。

なのに、こんな事態に何度も何度も巻き込まれて…。

「心配するな」

頼りない細い体を包み込むようにしながら、俺は言った。

「必ず守る。俺が守ってやるから…!」

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