世界で1番愛してる
「シズちゃん、我慢なんてしなくて良いんだよ。」
「してない。」
泣くよりも、喚くよりも、ずっとずっと大切な事がある。
今は、幸せそうに寝てる涼太を見ていたいから。
これから先、自分の力で立って歩くために。
涼太が私に望んだ最後の願い。
"生きろ"
それを叶えるために。
涼太がいない世界なんて私にはちっぽけなものだけど。
それでも涼太が望むなら私は生きなきゃいけない。
進む勇気なんてこれっぽっちもないけど…
涼太が必死に伝えてくれた生きる意味を、生きる価値を私が引き継がなきゃいけない。
だから、ない勇気を振り絞って私は前に進むの。
ほかの誰でもない、涼太のために。