Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
「……これから僕達は、この騒ぎの元を叩きに行く。
 大槻刑事。
 お前も来い」

「皇子、それでは……!」

 不満そうな、残月の声を、僕は無視した。

「凛花は、どうしても残月について行くそうだ。
 お前も、両親の仇が討ちたいだろう?」

「それは、当然!」

「では、来い。
 もし、行って何にも出来ずとも、せめて妹を、お前が守れ」

 ……今まで凛花に庇われていた、お前が、守れ。

 兄らしい所を凛花に……僕に見せてみろ。




 僕は、頭を上げると、残月を促して、言った。





「さあ、終わり、を始めに行こうか」





 
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