あたいの運命
父は仕事
母は家事で家中バタバタ
姉は幼稚園
祖母は友人の家へ
だから、あたいと二人
家の中にいる。

あの頃は性的虐待がおきた
時期だったので
尚更のこと
叔父が怖かった。
初めてあたいが「何で?」といった。
叔父は
「お前は俺の奴隷になるために
産まれてきたんだ。」
と言った。
奴隷の意味が分からなかった。

その夜、父に奴隷の意味をきいた。
「何て言えばいいかな・・・。」
言葉を詰まらせた父は
テレビのチャンネルを
パチパチとまわし
洋画を見せてくれた。
「これが奴隷」
ボロボロの服を着て、
真っ黒に汚れて
フラフラになっても
鞭で叩かれて働いていた。
「何で、こんなに働いているの?」
父に聞いた。
「奴隷だから。」

つまり、そういう意味だった。
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