青蝶夢 *Ⅱ*
『もう、やめ、やめ
 やってられっかよ』

リハビリ室の床に
ぺタリと座る芳野。

動かないくせに

痛みを伴う足に苛立つ・・・

そんな、芳野の傍には

いつも、伊吹がいた。

『ヨシノ、ほらっ
 立てよ
 もう一回やってみよう』

芳野の脇に、手を当てる。

『放せよ』

伊吹の手を振り払う、芳野。

『ガキでもあるまいし
 先生を、困らせるなよ
 
 ほらっ、ヨシノ』
< 118 / 334 >

この作品をシェア

pagetop