青蝶夢 *Ⅱ*
家の中を張り詰めた空気が
支配する。

私の声は、貴方には
届いていない。

ううん、届いているけれど
貴方は、私を無視し続けた。

「あなた、心配したの・・・」

ウォークインクローゼットを
力をいっぱいに開ける音が
部屋中に響く。

私は、その音にビクッとする。

伊吹に頬を打たれた昨日の事を
思い出して、彼の怖さに
手が、少し震える。

伊吹は、新しいスーツを
取り出し、ベッドに放り投げた

「シャツに、靴下
 下着、出して?」

「はい」
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