青蝶夢 *Ⅱ*
小さな藍の手に

小さな花の手を

繋がせる。

そう、もうすぐ
三つになる、この女の子は
芳野と私の間にできた、娘。

花色(露草色)から
花(ハナ)と芳野が名付けた。

私は、公園の外
辺りを見渡して、ボールを探す

「あっ」

その、ボールを拾う
男性の後姿・・・

「ヨシノ?」

やっぱり、そう・・・

ボールを手に持ち
振り返ったのは、芳野。

作業着姿で、左足を少し
引き摺りながら、私の元へ
歩いて来る。
< 307 / 334 >

この作品をシェア

pagetop