青蝶夢 *Ⅱ*
胸の高鳴りを

押さえる事ができない

ずうっと、ずうっと

貴方に逢いたかった・・・

「ヒイロ」

貴方の声に、涙が流れた。

私へと歩み寄る貴方は
左足を引き摺っていた。

私は、慌てて芳野の元へ
駆け寄って、貴方を支えた。

「ヨシノ・・・?」

貴方は、私を折れるほどに
強く、強く抱きしめる。

その腕の温もり

貴方の香り

気が狂いそう・・・

周りに人がいるとか
もう、どうだっていい。

二人だけの世界に私達は
ひと時、溺れた。
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