黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅰ
「なんで、俺?
他に夏芽とかいんじゃんかよ?」
「いや、なぁ…。
実をいうとな、前に一度あいつ等に魅來と夢希を会わせたことがあんだよ」
「だったら…」
「でも、あのチビたち全員に懐かなくて、
逆に泣き出したんだよ。
その点、さっき柊にはめっちゃ懐いてたし」
そういえば、人見知りなんだっけ……。
子守、か。
子供は嫌いじゃない。
いや、逆に好きなくらい。
家事とかも普通にできるし、
するに当たっては何も問題はない。
けど、問題は泊まりがけ、ってこと。
女だってバレる可能性だってあるし、
何より私が〝紅蝶〟だとバレる可能性もある。
泊まりがけには、こういうリスクがどうしてもついてしまう。
手伝ってあげたいけど、今回は………。
「…すまねぇ、その頼み受けることは出来ない」
「何でだよ!!?」
「いろいろ、な…」
「いろいろって何だよ?!
……じゃなかった。
そこを何とか頼む!」
頭を九十度まで下げ必死に頼んでいる、何ともらしくない須藤の行動。
そんなに手伝って欲しいのかよ?