バトルロワイヤル
「……うぅ…健ちゃん…。」オレ達はその場で泣いた。
いつ敵に襲われてそこで死んでも別にいいと思った。
「………」
「誰だ…」
「……えっ?」
「誰だ健太を殺したのは…」オレはゆらっと立ち上がった。
サッと視界に住之江と芦屋が入った。
「お前は…住之江と芦屋!!」オレは野球部だから住之江と芦屋を知っていた。
「……!!亮佑やめろ!!」オレの様子に気付いた児玉は叫んだ。
「うわぁあぁああ!!!」
(ドンドンドンドンッ……)オレは健太のポケットから短銃をとって住之江と芦屋に撃ち続けた。
死んでいることが理解できていなかった。
「――ろ――めろ―」銃声で児玉の声がかき消される。
「…亮佑やめろ!!!」オレの耳に児玉の声がはっきりと聞こえた。
児玉はオレの肩に腕を通して押さえていた。
「……!!!何すんだよ!こだ……児玉?」オレは押さえる児玉の表情を見て落ち着いた。
「……もぅ死んでる…。そんなことしても中川は喜ばんぞ!!!」
(ズキンッ)心の奥が傷んだ。
「ごめん…。オレどうかしてたよ。こんなことしても健太は還ってこないのにな…」

重い空気が流れる中、時間だけがゆっくり1秒1秒を刻んでいた。
< 126 / 358 >

この作品をシェア

pagetop