バトルロワイヤル
(ドンッ)広瀬は錆びた鉄をトンカチでたたいた。
(パサアァ…)鉄はこなごなに粉状になった。
「すっげぇえ…!!」オレ達3人は興奮に包まれた。
「…これが細菌の力ッスよ。」猫田は言った。
「すげぇな……」オレは錆びた鉄球に手を触れようとした。
「触るな!!」さっきまでおどおどしていた西尾が急に叫んだ。
「…おっ!?」オレは手を止めた。
「そそそ、その球にはまだ細菌がついてるかもしれないから触ってしまうと指が腐ってしまうかもしれません…。」いつものおどおどした西尾に戻った。
「そうですよ!山川くん。オレの手を見てください!」大石は横から手袋をとってオレに手を見せた。
「……!!」オレは息をのんだ。
大石の手の皮膚はただれていてなんとも痛々しかった。
「…オレは実験用のカエルに細菌を射ちこんで、実験後のボロボロのカエルに触ってみたら皮膚が腐ってただれた。その時に手袋をしていたが、繊維の隙間から入ってきた…。」
「………」オレは黙るしかできなかった。
「…なるべく気を付けてくださいね。」大石は手袋をつけた。
「…とまぁ細菌実験はこんなもんッスよ!」猫田は背をまるめて言った。
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