バトルロワイヤル
皮膚がんは、オゾン層の破壊によって近年その驚異は増していた。

そして医者から思いもしない言葉が出た…。
「…尚也くんは…あと三日以内に亡くなるかもしれません…。もしかしたら今日中かも…」
(……えっ?)たしかに尚ちゃんは包帯ぐるぐるだけど、つい1週間前まではしゃべってたのに…。
「真弓ちゃん…、幼稚園で尚也が倒れた時からもう余命が決まっていたのよ…。…残りよくて2ヵ月だって…」
私は急に涙が溢れた。
「嫌だ!!そんなの!!だって…だって…、…尚ちゃんのこと大好きだから!!」
私の両親も尚ちゃんの両親も医者もその場で涙を流した。
その瞬間……
(ピ――――――――)機械音が部屋を響き渡らせた。
「尚ちゃん!?」
「尚也!!」
すぐに先生は心臓マッサージをしたが、20分したところで死亡が確認された。
「嫌だ…。尚ちゃん…。ごめんね。ごめんね。もっとお見舞いに行ってもっともっとおしゃべりしたかったのに…。……うわぁあぁん尚ちゃぁん!!」私は嗚咽が漏れながら涙を流した。

開いていた窓から風が吹き、スイセンの花びらは外へ飛ばされていった…。
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