バトルロワイヤル
「樹!どうしたの?またけんか?」お母さんだ。
「ボビーだからいいの!」毎日この台詞を言う。
「そう……でももうすぐで中学生なんだから男の子の力も強くなってきて…」
「大丈夫!…オレは強いから!」オレはクラスの中でも1位のボビーとも争う強さだ。
「ところで明日クリスマスだけど何かほしいものある?」お母さんは少し頬笑んで聞いてきた。
「……じゃあ任天堂Vがいい!!」
任天堂VのVとはバーチャルのことだ。
「そうね。サンタさんにお願いしなきゃ!」
「そんなのお父さんに決まってるじゃん!!」
お母さんは苦笑いを返した。
「バレてたのね…。」何かまずいことを言ったのかな、オレの心の成長が嫌だったのかな。
「じゃあ明日教会のクリスマス会が終わったらお父さんと一緒にゲーム屋さんに行きましょ!」
「うん!!」オレは元気よくうなずいた。

―その夜―
(…PLLLLLLLL…♪)電話だ。
「……はいもしもし。………樹、電話よ!!」お母さんは2階にいるオレを呼んだ。
「はいもしもし……」
「ヘイ、タツキ!!」電話の相手はボビーだった。
「ボビー、どうしたん?」
「クリスマスのプレゼント決まった?」
「任天堂Vやで!!」
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