子供は大人に恋をする

「浅田さん……まだかなぁ……」

おっきなソファの上に寝転がってテレビを見ます。本当はテレビじゃなくて、テレビの画面に出てる数字を見てます。今は18:54だから……あとちょっとだっていうのはわかります。僕はまだ時計がわかんないので、また今度浅田さんに教えてもらわなきゃいけません。
玄関から、がちゃって音がしました。

「マコー、ただいまー」
「浅田さんっ」

おっきな荷物を持った浅田さんが玄関に立っていました。白いビニールのそれはスーパーの袋だよって前に教えてもらった事があります。とってもとってもお腹のすいていた僕は思わず浅田さんの長い足にぎゅうって抱きつきました。浅田さんはそんな僕の頭に手を乗せてぽんぽんと撫でてくれました、浅田さんの手は大きくてあったかいから僕は大好きです。足に僕をくっつけたままで浅田さんはキッチンへとまっすぐ向かいます。
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