『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】
第164話
昭太郎は実家に寄ることもなく成田空港から直に静岡の国立病院に移送された。
威厳のある古い建物は懐かしさから昭太郎を安心させていた。
かつて困惑したカウンセリングルーム。
絶望を宣告した教授と助教授があの日と同じように正面に座っている。
昭太郎は(こんな日が来たんだ・・・)と思いながら教授の顔を眺めていた。
助教授が両手をテーブルについて立ち上がった。
「おかえりなさい。手術成功おめでとう」
「ありがとうございます・・・」アゴを出すように頭を下げる昭太郎。
「これからはゆっくりとやっていきましょうね」と助教授が優しく微笑む。
思い詰めたような表情から教授を見つめて昭太郎が切り出した。
「・・・あの、以前、病気は良くならないとおっしゃっていましたけど・・・少しも良くはならないんですか?」
「すぐには良くなりませんよ」横から返答する助教授。
思い詰めた表情のまま伺う昭太郎。
「すぐには、といいますと・・・良くは、なるんですか?」
助教授は考えながらゆっくりと答える。
「・・・・正確に言うと、良くなる人もいます。医学的には治療方法は未だにありません。でも、病気の進行がとまったので神経の再生は期待できると思います」
少し表情を緩めた昭太郎。
「そうですか、神経の再生ですか」
間髪入れずに早口に補足する助教授は
「でも、すぐにというわけにはいきませんよ、1年後には1年前よりいいかな、というぐらいにゆったりと期待してください」と言って教授を伺った。
「はい」
「いずれ、社会復帰してもらわないと困るからね」と教授の一言。
「はぁ・・・」
「社会復帰が前提の移植手術ですから」補足する助教授。
「・・・・・」
「まぁ、まずは日常生活ができることから始めていきましょう」
「はい・・・」
「今は身体が思うように動かなくて心配だと思うけど、大丈夫!、術前の体力まではすぐ戻るよ!」教授は励ますように力強く言った。
「はい、がんばります」
姿勢を正して教授に強い視線をおくっていた。
昭太郎は実家に寄ることもなく成田空港から直に静岡の国立病院に移送された。
威厳のある古い建物は懐かしさから昭太郎を安心させていた。
かつて困惑したカウンセリングルーム。
絶望を宣告した教授と助教授があの日と同じように正面に座っている。
昭太郎は(こんな日が来たんだ・・・)と思いながら教授の顔を眺めていた。
助教授が両手をテーブルについて立ち上がった。
「おかえりなさい。手術成功おめでとう」
「ありがとうございます・・・」アゴを出すように頭を下げる昭太郎。
「これからはゆっくりとやっていきましょうね」と助教授が優しく微笑む。
思い詰めたような表情から教授を見つめて昭太郎が切り出した。
「・・・あの、以前、病気は良くならないとおっしゃっていましたけど・・・少しも良くはならないんですか?」
「すぐには良くなりませんよ」横から返答する助教授。
思い詰めた表情のまま伺う昭太郎。
「すぐには、といいますと・・・良くは、なるんですか?」
助教授は考えながらゆっくりと答える。
「・・・・正確に言うと、良くなる人もいます。医学的には治療方法は未だにありません。でも、病気の進行がとまったので神経の再生は期待できると思います」
少し表情を緩めた昭太郎。
「そうですか、神経の再生ですか」
間髪入れずに早口に補足する助教授は
「でも、すぐにというわけにはいきませんよ、1年後には1年前よりいいかな、というぐらいにゆったりと期待してください」と言って教授を伺った。
「はい」
「いずれ、社会復帰してもらわないと困るからね」と教授の一言。
「はぁ・・・」
「社会復帰が前提の移植手術ですから」補足する助教授。
「・・・・・」
「まぁ、まずは日常生活ができることから始めていきましょう」
「はい・・・」
「今は身体が思うように動かなくて心配だと思うけど、大丈夫!、術前の体力まではすぐ戻るよ!」教授は励ますように力強く言った。
「はい、がんばります」
姿勢を正して教授に強い視線をおくっていた。