『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】
第163話
手術後1週間までは移植成功の嬉しさとモルヒネが痛苦を忘れさせてくれたが、腹を切って肝臓を取り換える大手術は更に身体を不自由にさせていた。
術後に処方された免疫抑制剤は抵抗力を無くさせ、少しのことで発熱を引き起こす。
その熱は必ず高熱になるまで下がることはなく、抗生剤を点滴しないと解熱しない。
数多くの症状を抱えた身体は不安を襲わせ、手術成功の喜びだけを味わうことを邪魔した。
日本には帰りたいけれど、喜んでくれている仲間達とどう再会するかイメージができないまま帰国の日を迎えていた。
精一杯の笑顔をふりまくと決めた意志と心から帰って来れたという感情が入り乱れて臨んだ入国ゲート。
そして到着ロビー。
「早く元気になって安心させなきゃな」
「これからは親孝行するんだぞ」
「これからが楽しみだな」
不安を抱えながら聞こえた言葉。
昭太郎は立派な人間にならなくてはというプレッシャーを勝手に感じていた・・・。
★
手術後1週間までは移植成功の嬉しさとモルヒネが痛苦を忘れさせてくれたが、腹を切って肝臓を取り換える大手術は更に身体を不自由にさせていた。
術後に処方された免疫抑制剤は抵抗力を無くさせ、少しのことで発熱を引き起こす。
その熱は必ず高熱になるまで下がることはなく、抗生剤を点滴しないと解熱しない。
数多くの症状を抱えた身体は不安を襲わせ、手術成功の喜びだけを味わうことを邪魔した。
日本には帰りたいけれど、喜んでくれている仲間達とどう再会するかイメージができないまま帰国の日を迎えていた。
精一杯の笑顔をふりまくと決めた意志と心から帰って来れたという感情が入り乱れて臨んだ入国ゲート。
そして到着ロビー。
「早く元気になって安心させなきゃな」
「これからは親孝行するんだぞ」
「これからが楽しみだな」
不安を抱えながら聞こえた言葉。
昭太郎は立派な人間にならなくてはというプレッシャーを勝手に感じていた・・・。
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