コモレビ
運命のヒト


「ぁ、あのッ!見学に来ました…!
の、のだ…あん…り…デスッ!!!」
め、めっちゃかんだ…!恥ずかしい!
絶対ヘンなヒトだと思われたよ…。

「ホント?大歓迎だよ。こっちおいで!」
優しくニッコリ笑ってあたしを手招きした。


「えっと、野田…あんりチャン?だよね。」

「ハイ。1年3組の野田杏里です。」
ふはぁ~、フツーにしゃべれてるよ、アタシ!

「うふふ、可愛い子には可愛い名前よね。
私は富山綾香って言うの。ヨロシクねっ!」
トミヤマ アヤカ…ね。覚えないと…。

「ぇと…ぁ、綾香せ、センパイ…。」

「なあに?吹いてみたいものでもあった?」
笑顔で綾香先輩があたしの顔を覗いた。

「ぇ…、・・・あっ!」

「ん?」

「あれ…、アレやりたい…ですッ!」
あたしは楽器に向けて指をさした。
鍍金は金色で木管楽器でとても吹きやすい楽器だ。

「サックス…?私、その楽器吹いてるんだ。
嬉しいなぁ。吹いてみる?」
吹いてみたい…、やってみたい…!

「は…、ハイッ!!」
やったぁ!

「ぁ、そこに座ってね。」
イスが3つ並んでるトコロの
端に一人座っていたので私は真ん中のイスに座った。

「2人とも、サックスやる同士仲良くしてね。」
仲良く…?
あたしは隣の人を見た。



・・・え?

男の子じゃん…。
や、ヤだ。む、無理だよぅ…!


る、瑠那ァ…、助けて…!!
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