左肩の重み~美香story~

付き合ってから

それからしばらくたって、私と佐伯さんは付き合いだした。


「付き合って欲しい」


「はい」


ただそれだけ。


でもね、それだけで十分だった。


初めて名前を呼ばれたときも、全く嫌な感じはしなかった。


でも急に先輩後輩から恋人という立場に変わって、正直どうしていいか分からなくなっていた。


美香って呼んでくれてるんだから、私も名前で呼ぶべきなんだろうか?


でもそんなにすぐには恥ずかしくて呼べない。


敬語は?


全てが疑問だらけで、分からない。


でもね、何も言わなくても彼はすぐにそんな私のことを理解してくれた。


下の名前でいいよって。


恥ずかしながらも彼の名前、真人って呼ぶと、彼も嬉しそうに笑ってくれた。


不思議と、名前を呼べるようになると敬語もなくなってきた。
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