左肩の重み~美香story~
私たちが会うのは、日曜日だけ。


私が電車に乗って、真人のマンションに向かう。


駅から真人のマンションまで、歩いて12~3分。


迎えに来て。


普通の彼女なら、すんなり出る言葉だと思う。


でも私にとって、この言葉を言うのはかなり難しい。


だって、親にですら素直に使えない言葉なんだから。


いつからだろうって思う。


親にすら遠慮するようになったのは。


思い当たるのは、弟と妹が生まれてから。


下の2人は共にスポーツをやっていて、親は2人に付きっきりだった。


別にそれはいいの。


弟や妹が優先で、私は3番目でも。


でもそれがだんだん、今忙しかったらどうしようとか思うようになって、迎えに来ての電話が親に対して出来なくなっていた。


だから駅からバスに乗って家に帰ると、電話してくれれば迎えに行ったのにと、いつも親から言われた。
< 13 / 26 >

この作品をシェア

pagetop