左肩の重み~美香story~
「佐伯さん。これでいいですか?」


「ああ」


パソコンから目を離し、私が作った資料に目を通した佐伯さん。


「ん、いいよ。ありがとう」


「はい」


一瞬笑顔を作って、私にOKサインを出した。


よかったと、心の中でホッと息を吐いた。


昨日夜遅くまで、一人でExcelと格闘したかいがあった。


きっと、傍から見ると私の仕事ぶりはよかったんだろう。


ある日、新人には少し大きな仕事を任された。


任されたからには、やるしかない。


その日から、資料室とパソコンを往復する日が始まった。


「わかんない・・・」


終電ギリギリまで仕事を続ける。


やるしかないと決心したものの、分からないことがあって前に進まない。


でも誰かに聞くなんて、そんなの恥ずかしくて出来ない。
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