左肩の重み~美香story~
なんて私は意地っ張りなんだろう。


こんな自分が嫌になる。


ただ一言、分からないので教えてくださいと言うだけなのに。


ポロっと流れそうになる涙を何とか抑え、再び資料室に足を向けた。


そんなある日、女性先輩たちが私の悪口を言っているのをたまたま聞いてしまった。


「バカらし」


悪口、ではないと思う。


ただ、自分より年下の部下が大きな仕事を貰ったことに腹を立ててるだけだ。


そんなにやりたいなら、この仕事あげようか?


先輩たちは私より知識も経験もあるし、簡単に終わらすことが出来るでしょ?


大きな声で叫んでやりたい気持ちを何とか抑えていると、後ろから笑い声が聞こえてきた。


佐伯さんだった。


泣くかと思ったと言われた。


泣かないよ、こんなことじゃ。


やるって決めたんだから、最後まで放り出さない。
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