紙吹雪

《少年、暴走》





「俺が…かおを好き?」




為二郎との会話から三日。


歳三の心はあの日から知らぬ感情に掻き乱されていた。


為二郎の言葉が引っ掛かり他のことが手につかない。



なんだ? 何が引っ掛かってる?




三日間繰り返されている答えの見つからない問いに苛立ちを隠せぬまま、歳三は頭を掻き毟り多摩川沿いに座り込む。


深く息を吐き辺りを見渡す歳三。




あ…この辺って、かおと会った辺りじゃん。




「…とぉしさんっ」




ふいに馨と初めて会った日のことを思い出していた歳三の後ろから自分を呼ぶ声が聞こえた。


振り返らずともわかる鈴のような声の持ち主。



それは歳三を悩ませる根源……馨。



歳三は馨の声にそっと振り向く。

振り向いた先には、三日前と何ら変わらない馨がいた。



「おっおう、かお!久し振り、だな」



予想していなかった馨の登場に、若干上擦る歳三の声。



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