兎心の宝箱【短編集】

「こちらも必死なのでな。悠長に待ってなどいられんよ」

 そう言って両の手の平に魔力を集める。連れて来た腹心達も魔力を高め勇者を取り囲む。

 勇者は、剣を構えない。変わりに先端に筒状の物がついた、変わった形状の道具を手にしている。

 千年前に戦った勇者と比べると、半分程度しか魔力を感じられない。

 今回は、どうにか勝てそうだ。この時までは、そう思っていた。

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