兎心の宝箱【短編集】

 勇者の持つ銃とやらが音を鳴らす。同時に体を突き抜ける衝撃が走る。

 膝が地面に着く。まだだ、まだやられる訳にはいかない。

「お前は、お前達人間は、この戦いの意味を分かっているのか?」

 勇者が不思議な顔をする。

「生存競争、ただそれだけだろ?」

 やはり知らされていない。

「これは世界を賭けた戦いだ」

「だから、人間達と魔族の世界を賭けた戦いだろ? 時間稼ぎか? 魔王さんみっともないぜ」

 渇いた音が立て続けに三度鳴る。

 私の意識は、そこで無くなった。
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