tear drop

2度目の運命

それから1週間後。
モモが焼き足りないとか何とか言うので、
京子とモモはまた2人で江ノ島の海へ行く事に。
江ノ島は相変わらずたくさんの人。
そんななかで2人が遊んでいると前から見た事のある男の子が・・・
それは先週玄を助けてくれた海の家の男の子だった。
キョロキョロと見回しながら困った顔をして歩いている彼を見て、
「あれ、海の家のキャッチしてんだよね?
困ってそうじゃない?彼んとこ使ってあげようよ!」
モモが言う。
モモはどこか楽しんでいるようないたずらな笑顔を
浮かべていたが、京子も玄を助けてもらったお礼を
かねて、としぶ2彼がバイトしている海の家へ向かうことにした。
「どうも・・・。」
京子が彼に声をかけると、
彼は真顔で軽く会釈のみ。
<なんかきまずい・・・>
微妙な雰囲気に戸惑いながらも、
京子とモモは海を見た瞬間・・
「うみーーーーー!!!」
と、我を忘れ海にとびこんでいった。。。
昼過ぎ。
だんだん潮が満ちてきた。
京子が「足とどかなくない?」と言うと、
横でモモは「よゆーだから」と笑って、
波に身を任せることに夢中になっている。
「ってゅーか超きもちよくない?・・・
あれ?京子?!」
モモの横で泳いでいたはずの京子が・・・・・
消えている!!
「え?!京子!!!!」
少し遠くの方で京子の手が見える。
溺れている?!
「どうしよ・・・だれか・・・だれかぁ!!!」
モモはありったけの声をふりしぼって叫んだ。
「どぅした!?」
ぁの海の家の男の子がモモの声に気づき近づいてきた。
この時間休憩中だった彼らは、
ボディーボードをしに沖にいたのだ。
そぅ、モモと京子は知らず知らずのうちに
沖まで流されてしまっていたのである。
「京子が・・ぁっちに・・どしよ・・」
言葉にならないモモの指差す方面を見て、
すぐさま彼は泳ぎ始めた。
ビーチに戻ったモモはブルブルと震えながら、
「どぅしよ・・ぁたしがちゃんと見てなかったから・・・」
と、涙でぐちゃぐちゃになりながら、
ひざを抱え、京子の無事を祈った。
「こうた!!」
海の家の人たちの声でモモはハッと顔を上げる。




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