tear drop

京子は航太の家に行くことが多くなった。
ある日いつものように京子が航太の家に行くと、
航太は、いかにも具合の悪そうな子猫を
看病していた。
「その猫、どうしたの?」
京子が聞くと、
「今朝うちのアパートの前に居たんだけどさぁ、
足引きずってて、かわいそうだったから・・・」
と言って看病を続けた。
「でもここ、アパート・・だよね?」
「うん」
「動物とか・・・飼っていいの?」
「ダメ、多分」
航太は顔を伏せた。
「だからせめて、足の傷治してから、
保健所に行こうと思って。」
その時、京子は思った。
<へぇ~意外に見掛けによらず優しいんだ。
それに頼りにもなるし、この人なら
これから付き合ってく先信じられるかも・・・>
3時間後・・
足の傷が治った猫を保健所に送った後、
「ごめんな、今日全然話出来なかったな。」
「うぅん、私は十分だよ。」
航太と別れた後、京子は航太を
今までよりもっと好きになっていた。
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