精神の崩壊
悲劇
 どれくらい経っただろうか。
 
 良子は、もうろうとする意識の中、二つの足音が近付いて来るのが聞こえていた。
 
 コツッコツッコツッ……
 カツッカツッカツッ……
 
 そして、足音は直ぐ横で止まった。
 
 「うっ…うん……」
 
 そして、良子の目の前にぼんやりと男の顔が二つ見えてきだした。
 
 〈おっ、お姉ちゃん気が付いたかなっ〉
 〈アハハハハハッ〉
 
 男達は、良子の顔を覗き込みながらニヤニヤと笑っている。
 
 「貴方達誰なの……」
 「此処は何処……」
 
 良子が男達に聞くと、男達はニヤニヤとしながらこう言って来た。
 
 〈お姉ちゃん、自分の置かれた立場…解ってるのかなっ〉
 〈お姉ちゃんは、もう直ぐ死ぬんだよっ〉
 〈アハハハハハッ〉
 
 良子は、男達の話しにビクリとして、身体を動かそうとしたが動かなかった。
 
 「えっ…どうして……」
 
 良子がふと身体を見ると、良子は全裸にされて、布で台に縛り付けられていた。
 
 「なっ…何をする気なの…」
 
 良子が聞くと男達は
 
 〈だから、言ったでしょ…〉
 〈こ・ろ・す・の〉
 〈アハハハハハッ……〉
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