精神の崩壊
捜査は振り出しへ
 宮野あゆみの死によって、捜査は振り出しへ戻った。
 
 あれだけの事をやっておきながら、これと言った証拠は残していない。
 
 これだけの事件にも関わらず、犯人に直接結び付く証拠や物証等が無い為、捜査は難航していた。
 
 警察は真田正春に近付く不審な者は居ないか、24時間体制で捜索していたが、これと言った人物は現れないでいた。
 
 その頃、富岡良子は、大好きな正春に何か起こったてはいけないと思い、正春の元へ行こうとしていた。
 
 正春が住んで居る場所は知っている。
 
 熱狂的ファンのネットワークと言うやつだ。

 正春が住んで居るマンションはそう遠くない。
 
 「正春は、私が守る……」
 
 そう言って良子は、正春の住むマンションへ向けて出て行った。
 
 辺りには、警察等がうろうろしている。
 
 良子は、できるだけ声を掛けられない様に、気をつけながら歩いて行く。
 
 そして、正春の住むマンションまで後少しと為った時、良子は何物かに羽交い締めにされ、ハンカチで鼻と口を押さえ付けられた。
 
 そして、抵抗も虚しく良子は意識を失った。
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