精神の崩壊
 男達が殴る度に、良子の口から血が噴き出し、辺りにベチャベチャと飛び散る。
 
 ゴキッ…ベキッ…ゴスッ……

 〈アハハハハハッ〉
 
 折れた肋骨が皮膚を裂き、ぐちゃぐちゃに為った胸部から突き出ている。
 
 グチャッ……グシャリ……

 〈ウヒヒヒッ〉

 ベチャ……ベキッ……

 男達は、良子が息絶えた後も更に殴り続け、頭部もぐちゃぐちゃになる迄潰されて行く。
 
 グチャッ…グシャリ……
 ベチャッ…ドシャッ……

 〈これ位で良いだろう〉
 
 男達がそう言った時には、良子はもはや人の原形を留めてはおらず、ぐちゃぐちゃの肉の固まりと為っていた。
 
 〈なぁ、DVDってどう言う風に撮ってあったのかな〉
 
 男の一人が言う
 
 〈そんなの適当で良いんじゃねぇの〉
 〈編集してそれらしく作っておしまいさ〉
 
 もう一人の男がそう言って、
ヘラヘラと笑う。
 
 〈そうだなっ〉
 〈それじゃぁ…仕上と行きますか〉
 〈アハハハハハ〉
 〈ヒャヒャヒャヒャッ〉
 〈題名、本当にスクラップで良いのかっ、アハハッ〉
 〈適当にあいつの絵の題名付けときゃ良いさ〉
 〈だなっ〉
 〈ウヒヒヒッ〉
 〈キャハハハッ〉

 男達は、そう言って笑い出した。
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