精神の崩壊
降りしきる雨の中で
 先に、口を開いたのは正春だった。

 「金は用意した」
 「例の物は……」

 男がそっと口を開く。

 〈ちゃんと…此処にあるさ〉

 そう言って袋を取り出した。

 正春は、中を確認して、男に 金を渡した。

 「まさか本当にこんな写真があるなんて……」

 正春は、小さな声で言った。

 〈また今度宜しく〉

 男は、そう言って金を持ち去って行く。

 そして……

 ……ドカッゴスッ………

 〈グアァーーーーッ〉

 何かを殴り付け様な音と共に、男は崩れ落ちる。

 ドカッドカッゴスッ……

 〈ウギャーーーーッ〉

 そして、再び殴り付ける音と、男の悲鳴が、雨の降る深夜の林に響き渡る……。

 そしてそこには、血の付いた鉄パイプを握りしめ、茫然と立ち尽くす正春の姿があった。
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