精神の崩壊
 そして、翌日加藤捜査官と服部捜査官の死体が漁村近くの防波堤で見付かった。

 加藤と服部の身体は切り開かれ、骨や臓器を取り除かれ、まるで開き魚でも干すかの様に防波堤の壁面にベチャリと貼付けられており、その周りには骨や臓器が散乱しヌラリとした鮮血で赤黒く染まっており、散乱した肉片や骨や加藤と服部の死体には、多量のフナムシ等がワラワラとたかり、また野良猫や野良犬がそれらを赤く染まりながら貪り喰っており、とても見ていられない程の惨状と為っていた。

 そして、そこにはまた題名の書かれた紙が置かれていた。

 『題名:港街の風景』

 またしても仲間達が惨殺されてしまった。

 早く草野静恵を捕まえて終わりにしたいと言う思いと同時に死にたくない、捜査なんか辞めて逃げ出したいと言う気持ちが込み上げて来る。

 しかし、逃げ出す訳には行かない。

 捜査員達は、膝をガクガクと震わせながらも現場検証を行い草野静恵を逮捕する事への執念を燃やす。

 辺りでも不信者等を見なかったか聞き込み捜査を行い草野静恵の足取りを追い求める。

 しかし、今回もこれと言った手掛かりも掴めぬまま終わり、涙を呑む結果と為った。
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