隣人の狂気
「ワタシのお父さんが死んだのはあの辺かしら。草葉の陰で見ててくれたかしらね。

ワタシが男を誘惑したあげく特に理由もなく刺すところを。

不謹慎な事ほどハマってしまうとやる度にゾクゾクするわ。露出狂ってこんな気持ちなのかしら」

少しハイになってしゃべっていたら、彼の呼吸が浅くなっているのに気付くのに遅れた。

思いの他出血が多いせいか目も焦点があわなくなってきているみたい。

「ちょっとまだ死んじゃわないでよ。まだアナタにやってもらいたい事があるんだから」

ワタシの言っている事が分かっているのかいないのか、ボウっとワタシを見返してきた。

この状況をもっとゆっくり楽しみたかったけどこれ以上引っ張ると面倒になりそうね。

「じゃあ最期に頼むわね。
ワタシ血の雨を浴びてみたかったの」
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