隣人の狂気のレビュー一覧

平均評価星数 ★★★★ 4.6
★★★★★
2015/01/23 11:19
投稿者: 耀成 さん
ネタバレ
狂気に飲まれてはいけない。

*

主人公は二人います。
が、狂気は二つ…いや、三つ?と思わせられました。

紫煙が充満している中で、普通過ぎる生活を送っていた一般的な男性と、
ドロリと淀んだ空間で、普通とはかけ離れた生活を送っていた女性。

前者の男性の、先を見越したしたたかな狂気。
後者の女性の、先を見ない自分本意な狂気。

そのふたつの狂気が重なると、どんな狂気に変化していくのだろうか。


***

まず先に、この作品は道徳を熟知…といいますか、身に付いている方にしかお勧め出来ません。
心理描写が実にリアルですので、理解しようとして飲まれてはなりません。

ですが、とても興味深い構成を成している作品だという事も事実。
サイド分けや、一人称から三人称への移り変わりも違和感無く読み進められました。
狂気の中に感じたラストの気持ちの変化は絶品。

狂気に飲み込まれない自信がある方にのみ、お勧め致します。

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★★★★★
2012/09/29 07:52
投稿者: 心笑亭 杉の さん
読後感に要注意!

人はそれを『狂気』という。 おそらく、万人には理解不能な感情――いわゆる『殺意』をそう表すことで、あたかも、不埒な魔物として扱うかのように。 主人公は、その『狂気』を秘めた男と女。 それは持って生まれたものなのか、後天的に生み出されるものなのか。もしくは、人から与えられるものなのか。 そのような、ズシリと重いはずのストーリーが、作者の力によって、非常に軽やかに、時には笑みをほころばせながら読み進める自分がいた。 しかし、読み終えた時には、「まったく理解不能」という感情だけが読者に残るはずである。 それはもちろん、この作品の良し悪しではない。 これは、狂気を持ち合わせない読者であれば、感情移入などあり得ない作品なのだ。 あなたはどうだろうか。 この作品を読んで、少しでも共感する自分がいたら要注意。 ちなみに私は……。 いや、これは自分自身の胸に秘めておこうと思う。

人はそれを『狂気』という。
おそらく、万人には理解不能な感情――いわゆる『殺意』をそう表すことで、あたかも、不埒な魔物として扱うかのように。
主人公は、その『狂気』を秘めた男と女。
それは持って生まれたものなのか、後天的に生み出されるものなのか。もしくは、人から与えられるものなのか。
そのような、ズシリと重いはずのストーリーが、作者の力によって、非常に軽やかに、時には笑みをほころばせながら読み進める自分がいた。
しかし、読み終えた時には、「まったく理解不能」という感情だけが読者に残るはずである。
それはもちろん、この作品の良し悪しではない。
これは、狂気を持ち合わせない読者であれば、感情移入などあり得ない作品なのだ。
あなたはどうだろうか。
この作品を読んで、少しでも共感する自分がいたら要注意。
ちなみに私は……。
いや、これは自分自身の胸に秘めておこうと思う。

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★★★★★
2012/09/08 12:38
投稿者: はるのれいん さん
読みました。

初めまして。「隣人の狂気」読ませて頂きました。図書館で百冊読んだら三冊だけが面白かった。そんな三冊の中に入る作品で、一気に読めてしまいましたが、リアルのようでリアルではない。リアルでは無いようでリアルにもあるのでは・・・・そんな不思議なお話でした。面白かったです。

初めまして。「隣人の狂気」読ませて頂きました。図書館で百冊読んだら三冊だけが面白かった。そんな三冊の中に入る作品で、一気に読めてしまいましたが、リアルのようでリアルではない。リアルでは無いようでリアルにもあるのでは・・・・そんな不思議なお話でした。面白かったです。

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★★★★
2009/09/22 14:43
投稿者: 不破 和泉 さん
没頭しやすい一人称

特殊な書き方、特殊な構成だと思います 後半部の「ワタシ」の自己紹介的な説明は違和感無く読み進められるのに、序盤の「俺」の場面では典型的なケータイ小説のような説明臭さを感じます また、「俺」の狂気が「ワタシ」に比べて若干弱いような気がします ある事件を目撃したというエピソードがあるにしろ、それ以前から持っていた狂気を表現しきれてないように感じました 他に最初の事件、素手でノープランな割には上手く事が運びすぎのような気がします 主人公が空手の達人とでも言うなら違和感は無いのですが… 一人称でのカメラアングルは見事 なので尾行シーン等、非常に映像が浮かびやすく、物語に没頭出来ます 一人称で作品を書く方は是非ご一読を お手本になります

特殊な書き方、特殊な構成だと思います
後半部の「ワタシ」の自己紹介的な説明は違和感無く読み進められるのに、序盤の「俺」の場面では典型的なケータイ小説のような説明臭さを感じます
また、「俺」の狂気が「ワタシ」に比べて若干弱いような気がします
ある事件を目撃したというエピソードがあるにしろ、それ以前から持っていた狂気を表現しきれてないように感じました
他に最初の事件、素手でノープランな割には上手く事が運びすぎのような気がします
主人公が空手の達人とでも言うなら違和感は無いのですが…
一人称でのカメラアングルは見事
なので尾行シーン等、非常に映像が浮かびやすく、物語に没頭出来ます
一人称で作品を書く方は是非ご一読を
お手本になります

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★★★★
2009/09/22 14:35
投稿者: 戦大将 さん
事実か?

…と思わせるような「殺人者の心理描写」が、秀逸過ぎて圧巻。 野いちご作品内でも、ここまで緻密で現実味ある描写を盛り込んだ作品は極めて少ない。 一見軽く見える外見に、こってり濃厚な内面。 シュガートーストの上から小倉あんを塗り、更にホイップクリームをモルタルのように塗り込んだ物を、今日からダイエット始める人の前に置いたような作品です。 そんな「背徳」「渇望」などが味わえる、異常で異端で異質な作品。 内容がアレなので「是非読んで」とは言いづらいですが、それでも一読の価値あり。

…と思わせるような「殺人者の心理描写」が、秀逸過ぎて圧巻。

野いちご作品内でも、ここまで緻密で現実味ある描写を盛り込んだ作品は極めて少ない。


一見軽く見える外見に、こってり濃厚な内面。

シュガートーストの上から小倉あんを塗り、更にホイップクリームをモルタルのように塗り込んだ物を、今日からダイエット始める人の前に置いたような作品です。

そんな「背徳」「渇望」などが味わえる、異常で異端で異質な作品。


内容がアレなので「是非読んで」とは言いづらいですが、それでも一読の価値あり。

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