隣人の狂気
完璧にパニクった。

論理的思考はどこかへ吹っ飛び、もはや行動は事象に対する反射でしかなかった。

大声を上げ続けているのをダマラセナケレバナラナイ。

ドウシタライイ

ドウスレバイイ

何も考えられず自分でも気がつかない内に、彼の顔面を思い切り殴りつけていた。

衝撃で悲鳴が止まった。

そして俺は

馬乗りになって

無言のまま

左右のこぶしで交互に

彼の顔面を

ひたすら殴り続けた。

彼は両手で防ぐような素振りを見せたが、構わずその上から殴った。

お互い必死だった。

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