隣人の狂気
殺害時に降り始めていた雨はゆっくりと雨足を強めていった。

一旦吸い殻入れにしていたペットボトルを拾いに戻り、証拠になるような物を残してないか確認しながら車へ戻った。

事前の予想よりもはるかに慌ててない動作でエンジンをかける。

何げなく車内時計を見てビックリした。

感じたよりも全然時間がたっていない。

車を発車させると来た道をなぞるように原生林を抜けて戻り国道に出た。

現場から去るのを目撃されたくないと思っていたが、国道に出てかなり走るまで人にも車にも全く会わなかった。

国道をしばらく走ると、それまでお湿り程度だった雨が突然土砂降りになった。
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