隣人の狂気
漠然と考えてある犯行予定地に一番近いコインパーキングへ車を停め、まずは普通に街をブラついてみる事にした。

ここはいつか飛び降り自殺を見た場所の近くだ。

自然と足がそちらへ向かっていた。

落ちて来たのに最初に気付いた場所に立って辺りを見渡してみた。

十数年の月日の分だけ古くなっているがほとんど変わってない。

女性が命を投げ出したその場所にはかなり長い間花や何かが供えられていたが、今は雑踏に紛れるただの一点に過ぎなくなっていた。

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