愛してるの言葉だけで。
┗新井圭SIDE
【新井圭SIDE】
俺は、あり得ない光景にまばたきを何回も繰り返した。
俺の目の前に、いるはずのない人がいた。
……洋子。
死んだはずなのに、どうして…
でも、ようく見ると少し違った。瓜二つだけど、少し違う。
洋子にそっくりなその女の子は、クラス表の前で困ったようにおどおどしていた。
…邪魔なら邪魔だって言えよ。
「お前らさ、邪魔になってることに気づかないわけ? 自分のクラス確かめたら、さっさと自分のクラスに行けよ」
俺は洋子にそっくりな女の子の前にいる馬鹿なやつらに言ってやった。
ぞろぞろと去っていくやつらをしり目に熱い視線に気づいた。
──ドキッ!
その胸の鼓動の理由、それは洋子にそっくりな女の子が俺を見ていたから……
「言いたいことは自分で言えよ」
そう言うと、その女の子は目線を下にやり落ち込んでしまった。