愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~
SS 執事様と小さな好敵手(ライバル)

イギリスに留学してひと月が経とうとしている……のだけど。


「「「「しーさまぁッ!!」」」」


朝の語学学校内に響き渡る女性の悲鳴にも似た叫び声、もとい呼び声。

そして前方に、様々な国のお顔出しした女性が群れをなしているのを発見する。

そんな女性たちに向かって、このアホ執事はと言えば……しっかりと。

本当にぶん殴ってやりたくなるほどしっかりと必殺技のスマイルを繰り出して、小さく手なんか振っていやがる。

その瞬間、群れを成していた女性たちがバタバタとそこらへんに倒れていく。

こんな騒動が毎朝……いや、連日、終日続いていて、もはや見飽きたどころの騒ぎではなくなっている。

おかげさまで、理事長様に呼び出しをくらい、どうにかしてほしいと懇願もされたものの。


そこはオオカミ執事様。


流暢な英語をお使いになり、また巧みな話術をお使いになり。

理事長様をお口説きになったという。


いまや、理事長様までこの男の虜になり、70歳近いというのにすっかり彼女を乙女にしてしまったと……


裏を返せば香椎威臣という人の格好よさは世界共通だということなんだけども。
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