愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~

この人が本当に私のことを好き……なんていうことに、今は疑問と疑心しか持っていない。

いや、なんというか。

こうもモテているところを目の当たりにすると自信喪失するっていうのが正直なところで。

その度に深くて重いため息しか出てこない。

出来るなら……出来ることなら一人になりたいと。

最近はそんなことばかりを思うようになっていた。


離れていたときはあんなに恋しかったはずなのに――


「ぅざ……」


出てくる言葉の汚いこと、汚いこと。


「なにかおっしゃいましたか、お嬢様?」


聞こえているはずなのに、聞こえないフリをするところまで嫌になる。


「いいえ、なにも」

「そうですか」


ああ、本当。

香椎君と離れた自分の時間が欲しいです。

だって、学校だけじゃなく、すべてが一緒なんだもん。

同じアパートに住んでいるから、絶対的に一緒で。

でも、だからって一緒に一つの布団で寝ているってことはない。

しっかり一人ずつのお部屋。

夜は施錠ばっちり。

乙女の純潔は死守中なのだ。
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