聖霊の宴
フランジェは流石にリーダーというだけあり、他の男とは比べものにならないほど速い。
「あら、速いのね『シルバー・バレット』!!」
打ち込まれた氷の弾丸。
「効かねぇな!」
パリィン。と音を立てて弾丸が弾き飛ばされた。
フランジェの爪は凍っていない。
「……なっ、なんですって!?」
襲い掛かるフランジェの爪をかわすグレイシア。
しかしフランジェは腕が長く、リーチが普通のそれとは違っていた。
「オレ様の爪は、この国でしか採れない雪柱石を使ってるんだ、凍るわけがねぇ。」
フランジェの長い爪がグレイシアの頬を切り裂いた。
「へへっ。わりぃな傷物にしちまってよ。ん?」
フランジェはある異変に気付く。
「お前なんで血が……」
かすり傷などではなかった。
確かに深々と爪を立てたはずの頬からは血が一滴も垂れていなかったのだ。
「別に驚くことじゃないわ。冷気で傷口を瞬間的に凍らせただけよ。」