聖霊の宴
それは時間にして約一秒と半分。
通常よりもより深く大気を蹴り上げながらタラリアは超速でシルクをクラフィティーの眼前へと運ぶ。
と同時に羽衣は魔力を封殺する光を放ちながら絹となりクラフィティーを捕縛にかかっていた。
その時にはまだクラフィティーは杖から長刀を抜ききってはいなかった。
眼前へと迫る敵を前に焦りは一切としてなく、ゆったりと抜刀していたのをシルクははっきりと見ていた。
そして手の先が捕らえようとした時。
シルクはより強靭な魔力を練り込むために無意識的に一瞬瞼を閉じた。
どさっ!と地面に崩れ落ちる音がしてシルクが目を開けると、目の前には大地が迫っていた。
うつ伏せるように倒れこんだシルクをクラフィティーは余裕の表情で見下ろしていた。